Kライフ研究所 第一ベース


3つ目に建てた小屋(約6坪)の画像があるので、簡単な内容と共に記録しておきたい。

小屋造りの実際 第一ベース-都市計画区域外


32年程前に初めて建てた約7.5坪の小屋を解体した後の既存コンクリートブロック基礎の6坪部分を利用して建てた小屋で、2寸勾配の切り妻屋根を持つ至ってシンプルなワンフロアーの小屋である。
基礎自体は短辺12フィート×長辺18フィートの大きさで、長手方向の中央に基礎を一本通してあって「日」の字の形状をしている。
根太は9フィート長の2×6を長編方向の真ん中で繋ぎ、束や大引きを使用しない構造を考えたのだが、近所のホムセンでは狂いの少ない2×6の数材が揃わず、急遽2×4にサイズダウンして束を使用する方法で施工図を書き直し、プラットホーム下地を作成した。

シルプレート
まずは、コンクリートブロック基礎とシルプレートを示す。
シルプレートの裏側の基礎と接する部分に何かビニルの様な防水性のある物を挟もうと思ったところ、たまたま手元に古い防水テープ(幅75mm)があったのでそれを利用した。

根太
ジョイストと転び止めおよび合板受けを設置し、防蟻塗装を施した状態を示す。
上面は合板で塞がれるため、塗装はしていない。
不本意ながら、画像では見難いが束石と束、大引きを設置している。

床合板
針葉樹合板12mmを張った状態を示す。
本来であればもっと厚い合板あるいはT&G合板が欲しいところだが、入手が出来ない以上はこれより他に選択肢が無い。
合板受けを設置してあるために合板の施工は容易だし、上に乗ったときには安定感がある。

枠組み
壁の枠組み状況を示す。(最初に組む正面となるこの壁枠は、最後に起こす枠となる)
スタッドは十分な室内高さを求めて2×4の8フィート材を採用し、壁枠は建て込み順を考えながら、プラットホームの上に重ねながら一気に4面分を作成している。

歪み修正
壁枠のゆがみ修正状況を示す。(一番上にある両妻側の壁枠の一方が最初に起こす枠となる)
上から順にOSB合板を置いてバールを噛ませたロープを張り、そのバールを回転させて締め込んで歪みを修正しながら合板を枠に止めて行く。
ここで妥協をすれば歪んだ小屋になってしまうし、今後の施工にも影響を及ぼすので、ここが肝心だと気を入れ直して一人作業をする。
少し締めては対角を測り、また締めては測るを繰り返すのだが、効率の悪い事はこの上無い。
手伝いがあればこの作業は簡単だし精度も上がるのだが、まあ、無理を言っても仕方が無い。

仮建て込み
短辺方向を建て込み固定し、長辺方向を仮に建て込みした状態を示す。
両妻側の壁枠を建て込んで固定し、2分割した長辺方向の枠を仮に起こして精度を確認する。
再び長辺方向の枠を倒してOSB合板を張るのだが、ここでは精度を気にする必要は無い。
ちなみに、この施工で私が一人で起こせる壁は12’×8’+OSB合板9mmが限度と知った。

枠建て込み
壁枠の建て込みが完了した状態を示す。
この状態で短辺方向から揺すってみてもびくともしないのだが、長辺方向の真ん中辺りで揺すると多少の揺れを感じたが、天井根太を設置すると揺れは完全に無くなった。

屋根垂木設置
天井根太と屋根垂木を設置した姿を示す。
勾配が2寸しか無いので少少見難いが、天井根太と屋根垂木でAトラスを構成して設置した。
ちなみにこの2寸勾配は、材を使い切るために計算し、シミュレートして導き出された最大の勾配であり、私にとって快心の勾配寸法である。

野地合板張り
野地板としてOSB合板9mmを張った姿を示す。
これも2寸勾配しか無いので少少見難いが、野地板としてOSB合板9mmを張っている。
6フィートならともかく、8フィートのスタッドを使用するのなら、屋根垂木の上まで一人で持ち上げるのはこれが限度だと、何度か転落しそうになりつつ、ひたすら強く感じた。

バードアイ~小屋
幸いにして一枚だけあった、バードアイでの小屋の姿を示す。
地べたで作業している時に感じる以上に、小屋の周辺は鬱蒼としている様だ。
ルーフィングを張る前に雨に降られたときの実験にと思い、一部にガムテープを張って試してみたが雨はOSB合板の凸凹の隙間から容赦なく流れ込んだため、コーキングを打ってその上からアスファルトルーフィングを施工したのだが、「羹に懲りて膾を吹く」感は否めない。

この状態までの施工日数は、ほぼ10日間を要した。

眼鏡石 眼鏡石
ついでに、一緒に見つかった眼鏡石の画像もアップ。
右側は外部合板や内部PBを貫通する様に110mmで作成したものだが、壁内に収まる様にと考え直して再作成したものが左側の厚さ85mm。
厚みが分かるように撮影したものも追加してアップ、上が110mm、下が85mm。

検討図
さらに見つかった、煙突の検討をするための図面もアップ。
これは当時手持ちの時計型の薪ストーブの検討と共に、将来に採用するかも知れない鋳鉄製薪ストーブの使用も併せ、どちらの使用も可能な位置を求めて検討している。
北海道生まれで薪ストーブの使用に長けている私としては、本来的には立ち上がり煙突の室内長をもっと大きく取りたいところではあるが、外部の十分な立ち上がりを確保するための補強に対して妥協し、室内長をやや短くしている。

また、雪の降る地域では無いのでラッセルを作る必要が無いために流れ側でも煙突を出せる形で検討したが、実際には熱の点でもステーの取り付けの点でも妻側に出す方が有利であって、施工の際はその様に設置した。
当初の薪ストーブが壊れた現在は消防署との位置関係もあり、野焼きとの謗りを免れるためにストーブの更新をせずに煙突の穴は塞いである。


以上