Kライフ研究所 ライフライン


直交流変換装置(DC-ACインバーター)の考察と、自分の使用している物について記録する。

小屋暮らし研究所 太陽光発電


オフグリッド型太陽光発電設備においては必ずしも必要ではないが、家電品を使用したければ必要になるのがDC-ACインバーター(直交流変換装置)である。
電圧12Vまたは24V、48Vのバッテリーバンクの直流(DC)電流を交流(AC)100Vに変換する機器であり、これを使用する事によってバッテリーバンクからの直流電流を利用して家電品の使用を可能にする。
ただし変換効率が80~良くても90%とあまりにもロスが多いので、機器が有りさえすればDC器具を調達したいと考えているが、これがなかなか難しく、今後は自作できるものに関しては自作して行きたいと考えている。

DC-ACインバーターには正弦波(サイン波)・擬似正弦波(矩形波)の2つのタイプがあり、システム電圧(12V/24V/48V)や周波数(50Hzまたは60Hz、あるいは55Hz)に留意して選択をする。

正弦波(サインウエーブ)タイプ
出力波形が一般家庭に供給されている商用交流電源の波形と同じであるため、使用できる負荷機器に制限は無く、多用途(用途を限らない)に使うシステムや精密な正弦波(サイン波)形を必要とする測定機器・医療機器などには 正弦波インバーターを選ぶ必要があるが、値段が高いことや種類が矩形波タイプに比べて少ないことが難点である。

擬似正弦波(矩形波)タイプ
電圧の実効値が商用交流電源と同じであるため、LED電球・パソコン・テレビ・電子レンジ等の家電品など、多くの負荷機器を接続して使用が可能である。
しかし波形に依存して稼動する負荷機器(インバーター方式蛍光灯やマイコン制御の電気製品など)は 使用することが出来ないので注意が必要である。
ただし欠点を理解して使用するのであれば、種類も多く国産のものが比較的安価に入手することが可能である。
ちなみに我が家では扇風機の内の1台が、この擬似正弦波タイプのインバーターを使用するとしゃっくりをするような動作をするので驚いた経験がある。

インバーター自体の待機電力
インバーター自体も電力を消費し、残念ながら変換効率は100%には程遠いのが現状である。
電流量はインバーターを介す事によって90%~80%(実際にはほぼ80%以下)に落ち、この中には待機消費電力が入っている事も考慮に入れる必要がある。
インバーター損失はインバーターの仕様に効率として記載されており、さらに機種によっては待機消費電力として記載されているものもある。

また、インバーターには「定格出力」と「瞬間最大出力」があって、使用する家電製品の数や種類および各各の消費電力は言うに及ばず、製品の特性によってインバーターの機種を正しく選ぶ必要がある。
また、特に注意しなくてはならないのは家電製品の多くは起動するときに大電力 (起動電力/突入電力とも言う) を必要とするので、その家電製品の起動電力に対応している必要がある。
すなわち、インバーターの仕様に記載のある「瞬間最大出力」が家電品の起動電力以上であることを確認する。

第1ベースでののDC-ACインバーターの使用歴
同じ定格出力であれば12Vよりも24Vの機種の方が、自己消費電力が高くて倍になるのは納得が行かない。
同じ定格出力ならば、電圧の高い方が送電ロスが少ないだけに・・・、だからである。

STEP1:12V  
CI-160V 入力電圧:12V 
出力電圧:100V
定格出力:130W
最大連続出力:160W
瞬間最大出力:400W(3秒以内)
変換効率: -
出力周波数:50/60Hz 切替式
出力波形/効率:矩形波/  %
保護回路: -
サイズ/重量:W×H×D / g

購入が古く、取説や箱等のデータが存在無く本体記載データのみ。
ファン付だが音は気にならない。
CI-160V (株式会社サンヨーテクニカ)ケーブル改

元元車で使用していたもので、年季物です。
実験機として、ずいぶん役立ってくれました。

STEP2:12V  
CD-150 入力電圧:12V 
出力電圧:100V
定格出力:130W
最大連続出力:150W
瞬間最大出力:200
変換効率:90%
出力周波数:55Hz
出力波形/効率:矩形波/80%
回路方式 :PWM制御方式
サイズ/重量:W89×H47×D120 / 540g

出力は小さいけれど、静かだし、範囲内では 十分満足できたが、24Vへ移行に伴い、蔵入。
CD-150 (大自工業株式会社)ケーブル改

近所のホームセンターで購入。
インバーターはこの一種のみで選択の余地無し。
これも車で使用していたもの。

STEP3:24V  
ETP-600W 入力電圧 : 24V
  出力電圧:100V
定格出力:600W
最大連続出力:600W
瞬間最大出力:1200W
変換効率: -
出力周波数:50Hz
出力波形/効率:正弦波/87%
全高調波歪: +/-3%
サイズ/重量:W117×H62×D200/

概ね使用電力50W程度まではファンが回らず、電力消費量に合わせて回転音が大きくなるため、騒音で使用電力の見当が付いた。
ETP-600W(販売会社:株式会社仁和)※本体記載
BR-P-600 ※取説に記載の番号

5ヶ月足らずでファンが回りっぱなしとなり、
その後5ヶ月程で出力を永遠に停止しました。

STEP4:24V  
HG-500 入力電圧:24V 
出力電圧:100V
定格出力:400W
最大連続出力:500W
瞬間最大出力:1000W(0.1秒)
変換効率:80%以上
出力周波数:55Hz
出力波形/効率:矩形波/80%以上
回路方式 :PWM制御方式
サイズ/重量:W108×H59×D197 / 1040g
電源ONと同時にファンが回って、騒騒しい事はETP-600W以上。
精神衛生に好ましからずと判断して使用断念!
品番 HG-500/24V(セルスター工業株式会社)

日本のメーカー製であり、ある程度の出力までは
ファンは回らないものと思い込んで購入したが、
期待はみごとに裏切られて、即蔵入に。

STEP5:24V  
HC-301 入力電圧:24V 
出力電圧:100V/DC24V/DC5V
定格出力:計300W
最大連続出力:計360W
瞬間最大出力:計500W
変換効率:80%
出力周波数:55Hz
出力波形/効率:矩形波/80%
■DC24Vシガソケット×1個:150W
■USBポート×2個:計1000mA
サイズ/重量:W137×H70×D195 / 695g

HG-500/24Vのファンの音の騒騒しさに辟易し、これはどうだろうかと思いつつ300Wでお試し購入。
品番 HC-301 3Way(大自工業株式会社)

100W以上でファンが作動と書いてあるのだが、
実際には30Wを超える辺りから回り初める。
現在、毎日24時間快適に運転中。

24Vの3機種並べてみましたら、正弦波だから大きい・・・、と言う訳では無いようです。


当初、「HG-500/24V」と「HC-501 3Way」のどちらかを購入しようと思ったのですが、「HC-501 3Way」には私には不要なUSB端子や絶対に不要なシガーソケットがあり、無駄だと思って「HG-500/24V」を選択して購入したところ、スイッチONでファンが回り始め、しばらく経てば安定して止まるのだろうとの淡い期待も空しく、その騒々しいこと。
受忍限度を超えていたので使用を断念し、駄目元で安い「HC-301 3Way」をお試し購入してみましたところ、取り説には「100W以上で作動」とあったので、ほっと一安心。
これで、静かな環境と安眠が約束されました。
どちらのメーカーサイトの商品説明を見ても、このことに関しての記載がありませんでしたので、無駄な出費と遠回りしてしまいました。

次は1000W~1500Wの矩形波の購入を考えていますので、大自工業株式会社のHCシリーズからの購入になる予定。
その次は、中国製以外の正弦波で出力は300W程度を購入し、それぞれを切替スイッチで選択して使用する予定。